皆さんこんにちは。
ある時は無頼のベーシスト、ある時は気まぐれ作曲家のyoukeyです。
現在、YouTubeで音楽系の動画を投稿しています。
今回は初めての記事ということで、J-POPの隠れた名曲発掘隊を始めた経緯を語っていきたいと思います。
1.ミュージシャンとしての葛藤
以前は音楽でも、音楽の雑学系(偉人解説やジャンル解説)の所謂「ゆっくり解説」中心に製作しており、1本動画を上げれば登録者が50~60人増えるという
急成長とまではいかないが、チャンネルは順調に成長していた。
ただ、自分のチャンネルのコンセプトはあくまでも「音楽を楽しむ」というのがキーポイントであった。
送られてくるコメントが「勉強になった」「知らなかったことが知れて嬉しい」と言ったものがほとんどの中
「本当に視聴者に音楽の楽しさがわかってもらえているのだろうか?」
という疑問が生まれた。
自分はどこまでいってもミュージシャンなのである。
評論家や学者の類ではない。
音楽の楽しさとは、実際に演奏し、実際に耳にし、実際に作るというところにあるのだということに、遅ればせながらこの時に気が付いた。
この時、以前製作していた「現代音楽偉人伝シリーズ」は十数回ほど進み、認知度も高まってきたところであったが、
これを打ち切ることに決めた。
2.大瀧詠一氏との出会い
大瀧詠一氏
(音楽ナタリーより)
偉人解説の頃、視聴者からのリクエストで大瀧詠一氏を取り上げて欲しいとの要望があり、彼の音楽性と人生を調べる機会があった。
(残念ながら楽曲の権利関係でYouTubeでは欠番である)
彼は自身のスタジオで「ゴー・ゴー・ナイアガラ」というラジオ番組を放送しており、コンセプトは「自分の好きな音楽をかけまくる」
こで紹介される楽曲は洋楽から邦楽、果ては民謡や長唄まで多岐に渡る。
文字通り彼が少しでも気になった音楽は片っ端から紹介していたのだ。
こういった趣向性の強い内容をシェアするというのは非常にハードルが高く、結果的にこの番組も失敗した部類に入るのだが、彼の存在そのものを理解してもらえる機会となり、以降、大瀧詠一のコアなファン層を形成するきっかけとなった。
「自分にもこれができないか」
自分しか知らないような楽曲をシェアし、その素晴らしさを伝える。
これをまず第一のコンセプトし、楽曲のアナライジング、それも知名度の低い楽曲に焦点を絞る。
これがまず自分の人生と音楽性を理解してもらえる手段と考えた。
3.越えなければいけないハードル
楽曲の紹介ということで、やはり楽曲そのものを再生しなければそれが伝わらない。
「ゆっくり解説」を製作していた時も断片的に引用で再生はしていたが、ラジオ形式でしっかり楽曲を聴いてもらうためにはそうはいかない。
YouTubeのようなオープンソースでそのまま楽曲を流すのは第3者による著作権の侵害のリスクにあたるからだ。
これはいくら権利と許諾を所有していても同じである。
音楽とは作中に著作者を明記できない分、こういった権利の保護が非常に難しい。
そこである案が浮かんだ。
「自分で演奏すれば良いんだ」
要は完全な形を公共の場に晒さなければ良いのだ。
幸いにも、YouTubeにはコンテンツIDの制度、ニコニコ動画には楽曲使用の自己申告がある。
要はこれにより一次創作と二次創作のパワーバランスを保っている。(「弾いてみた」動画などはこれにより守られている)
自らアレンジし、自ら演奏し、自ら語る。
こんなにも楽しいことがあるだろうか。
第一のコンセプトと共に、第二のコンセプトも生まれた。
「音楽の楽しさを理解してもらうために、自分が一番音楽を楽しんでいるところを見てもらう」
4.NEUTRINO・AIきりたんとの出会い
タイトルは「隠れた名曲発掘隊」に決まり、あとは形にするだけである。
しかし、問題は歌の部分。
当時我が家には初期バージョンの鏡音リン・レンしかいなかった。
単純なカバーという部分ではやはりボーカロイドジャンルとしての気色が強くなってしまう。
それほどに彼女らの歌い方は独特すぎるのだ。
対策としてはUTAU等の他のソフトも駆使し、歌い手のバリエーションを増やすことでジャンルの幅を広げようとは考えていた。
そんな中、少しTwitterがざわついていることに気が付いた。
NEUTRINO・AIきりたんがリリースされたのである。
最新の技術でより人間の歌い方に近いものを再現したNEUTRINOは青天の霹靂だった。
AIきりたんの歌い方に合わせたアレンジ、そして隠れた名曲の本格的なアナライジング。
まさにプロの歌手を迎えたような本格的な音楽番組ができるではないか。
これにより、動画の方向性は「AIきりたんが歌う!J-POPの隠れた名曲発掘隊」で定まった。
---後編へ続く